電子署名とは?電子サインや電子印鑑との違い│効果やリスクも解説

近年、「働き方改革」の一環でテレワークを推奨する企業が増えてきました。通勤時間をなくすことができるなどテレワークの導入にはメリットが大きいですが、出社しないことによって、申請・承認作業といったワークフローが停滞してしまう恐れがあります。
これを解消するために多くの企業で利用されているのが、インターネット上で契約を結ぶことができる「電子署名」です。今回は電子署名の仕組みや、メリット・デメリットについて紹介していきます。電子署名に対する知識をつけたい方や導入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

電子署名とは

電子署名とは、インターネット上で作成されるPDFファイル等の電子文書に付与された署名のことで、当該文書の正当性を証明する目的で使用されます。

電子署名法によると、提出する電子署名は「本人性」と「非改ざん性」の2つの要件を満たしている必要があります。取引先や公的機関と電子契約をおこなう際には、基本的にマイナンバーカードで発行できる「電子証明書」を用いて電子署名をおこない、署名時刻を証明するタイムスタンプ機能と合わせることで、当該文書の真正性を確保します。
新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの推進がきっかけで電子契約の普及率は急激に高まっており、⼀般財団法⼈⽇本情報経済社会推進協会の調査によると、2021年現在ですでに7割以上の企業が電子契約を利用しています。
電子契約の普及率は今後も拡大傾向にあり、それに伴い、電子署名を利用する機会も増加していくでしょう。メリット・デメリットを把握したうえで、積極的に電子署名を利用していくことをおすすめします。

電子署名の仕組み

インターネット上で作成した電子書類への電子署名は紙文書に直接おこなう署名と違い、署名者の本人性を証明することが難しいというデメリットがあります。これを解消するために用いられているのが、第三者機関から発行される「電子証明書」です。

電子証明書には、電子文書の作成者がデータを暗号化する際に使用する「秘密鍵」とデータの受信者が電子署名を復号化する際に使用する「公開鍵」の2つの「鍵」が存在し、これらを組み合わせることによってデータの本人性を証明することができます。

さらに、電子文書の作成時刻や電子署名をおこなった時刻を証明する「タイムスタンプ」を使用することで、付与時刻以降にデータが改ざんされていないことを証明し、より法的効力の高い電子契約をおこなうことが可能です。

電子署名に関連する法律

電子取引の増加に伴い、電子契約をおこなう際のルールとして2000年代に入ってから法整備がおこなわれてきました。2021年現在、電子署名に関連するおもな法律としては、「電子署名法」と「電子帳簿保存法」の2つが施行されています。

電子署名として成り立ついくつかの要件を定めた電子署名法は2001年に施行されました。これによって電子署名が紙文書へおこなう署名と同等の効力を持つことが明文化されました。
また、1998年に施行された電子帳簿保存法は、電子文書の保存に関するさまざまな規則を定めており、2022年から施行される改正案によって、そのルールが大幅に緩和されることがすでに発表されています。

電子署名と電子サインとの違い

一般的に、電子文書に対しておこなう署名はすべて「電子サイン」です。その中で、「電子証明書」を用いた法的効力の強い電子サインを限定して「電子署名」と呼んでいます。
「電子サイン」のことを「電子署名」と呼称している記事もありますが、当記事では電子証明書とセットで利用される署名のことを狭義の意味で「電子署名」と呼んでいます。

電子署名と電子印鑑との違い

電子署名のように自社でおこなうワークフロー内で活用することができるサービスとして、「電子印鑑」があります。
電子印鑑は、その名の通り「電子化された印鑑」のことを指します。電子署名と同等の効力を発揮することはなく、印影データに識別情報を組み込ませた電子印鑑を電子文書に押印することで、電子署名がより正確なものであると証明することが可能です。

電子署名とタイムスタンプの違い

電子署名は、「秘密鍵」と「公開鍵」を用いて提出した電子文書が正確なものであると証明することができますが、電子文書の改ざんを防ぐことができません。
タイムスタンプは、第三者が付与することで付与時刻以降の非改ざん性を証明し、電子署名の欠点を補完することができます。

電子署名のメリットや効果

「テレワーク」が推奨されているここ数年の間で、電子署名を取り入れる企業は大幅に増えています。ここでは、電子署名が持っているメリットや効果についてまとめています。

ワークフロー短縮で業務効率化につながる

電子署名は、インターネット環境さえあれば「いつでも」「どこでも」電子契約をおこなうことが可能です。テレワークで自宅にいる時や出先で作業を進めている時でも、パソコン一つで簡単に署名をおこなうことができるので、ワークフローの流れを滞らせることはありません。

また、これまで印刷して紙で保管していた文書を電子データとしてインターネット上に保管することができるため、管理の手間を減らすことができるでしょう。必要な文書をデータベースから「検索」して探すことができる点も、電子署名によるメリットのひとつです。

ペーパーレスでコストを削減できる

電子署名をおこなう文書はインターネット上でやりとりすることができるので、印刷をする必要がありません。そのため、文書の印刷時にかかる印紙代や文書の送付時に必要な切手代などの費用をすべて節約することが可能です。データの保管場所を用意しなくて済むため、省スペース化にもつながります。

コンプライアンスの強化が期待できる

電子署名は、「秘密鍵」と「公開鍵」を組み合わせることによって、作成者以外の人物による改ざんができない仕組みになっています。作成者自身による改ざんもタイムスタンプを用いることで防ぐことができるようになっており、これらの点からセキュリティレベルは強いと言えるでしょう。

また、契約書類が電子化されているため、紙ベースでの管理で発生する「盗難」や「紛失」のおそれも非常に少ないです。

電子署名のリスクや注意点

前項では電子署名を導入するメリットについて説明しましたが、電子署名にはデメリットも存在します。電子署名の利用を検討されている方は、マイナス要素をきちんと把握したうえで導入するかどうかを決めるようにしてください。

取引先の合意が必要となる

電子署名をおこなう際は、自社と取引先の双方が電子契約をおこなうことに合意をしていなければいけません。この点は紙文書での契約時にはなかったデメリットと言えるでしょう。

近年、電子契約を取り入れる企業は増加傾向にはありますが、国内全体に浸透しているほどではありません。取引先が電子署名を導入していなかった場合、取引先に対し電子署名の特徴について説明をしたうえで、電子署名を利用するように依頼する必要があります。

取引先が電子署名の知識を有していればスムーズに契約を進めることができますが、知識がなかった場合は説明に多くの時間が発生してしまうでしょう。

電子署名が使用できない書類もある

電子署名は、「電子署名法」と「電子帳簿保存法」の2つの法律によって、紙文書への署名と同等の効力を発揮すると明文化されています。しかしこの法律は、効力を持つ電子署名として認められるための要件が厳しく、それが理由で電子署名を使用することができない文書も存在しているのです。

例をあげると、借地借家法に基づく「定期借家契約」や、宅建業法に基づく「重要事項説明書」などがあります。これらの文書は紙ベースでの契約に対する規制はほとんどかかっていないため、電子署名に関する法律はより厳しいといえるでしょう。

電子署名を理解して電子契約を導入しよう

今回は、企業の業務効率化を推進する「電子署名」について紹介しました。電子署名は、インターネット上で契約を完結できる点で昨今の働き方と相性の良いサービスです。

紙ベースでの署名に比べて規制が厳しいことがデメリットと言われていますが、2022年に「電子帳簿保存法」が大幅緩和されるなど、国としても電子署名の導入に前向きな姿勢をみせています。

電子契約サービスを提供している企業は多く存在していて、その特徴や価格は一つひとつで大きく異なります。これから電子署名を取り入れていきたい方は、必ず数社を比較したうえで自社に適したサービスを導入するようにしてください。

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