DX推進のための取り組み内容や6つの手順・成功事例

社会情勢やグローバル化・デジタル化する市場の現状から、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)について焦りを感じている企業は増えています。

とはいえ、「どのような取り組みが必要か分からない」という担当者・経営者は多く、アナログ式の企業形態から抜け出せずにいる企業も少なくありません。

そこで本記事では、DXを推進していくために必要な取り組みや手順、さらには成功事例をまとめました。これからDXに取り組む企業は、どのようなステップを踏むべきかを理解し、効率的なDX推進を目指しましょう。

DX推進のために取り組むべき内容とは?

日本企業のDXが進まない場合、2025年以降、最大で12兆円/年の経済的損失を被ると試算されています(この課題は「2025年の崖」と呼ばれています)。 未だDXに着手していない企業は早急な対応が必要ですが、具体的にはどのようなことから取り組んでいけばよいのでしょうか。 DX推進のため、変革・見直しすべきポイントを紹介します。

1. ビジネスモデルの変革

DXとは、「デジタル技術を前提として」ビジネスモデル・プロセスを構築することです。現状アナログ式のビジネスモデルを維持している企業は、ビジネスモデルそのものを見直して、「デジタル技術による収益構造」に転換していく必要があります。

デジタル技術を使ったビジネスモデルとしては、あらゆる商品やサービスをクラウド上で提供する「as a service化」(略称:XaaS)」、D2C(Direct to Consumer)の「ECプラットフォーム」、課金提供型の「サブスクリプションビジネス」などがあり、選択肢は豊富です。

自社の強み・市場の現状等を踏まえ、競争力の高いビジネスモデルを選択しましょう。

2. 業務プロセスの見直し

DXでは、従来の作業工程をデジタル化して、効率アップを図ることも必要です。デジタル技術を導入し、コア業務以外の業務を効率化することで、コア業務にあてる時間をふやすことができます。

近年は人事・営業・マーケティング・経理等のバックオフィスツールや、社内チャット・会議用のビジネスチャットツールが充実しています。既存のシステムと連携しやすく、拡張に対応できるものを選べば、業務効率が一気にアップするでしょう。

3. 組織の再構築・意識改革

DXは組織の根幹に関わる変革であり、企業の形態によっては組織の再構築が必要となります。統合できる部門・廃止する部門等を検討し、デジタルありきで組織を最適化していかなければなりません。

加えて、DXを着実に進めていくためには、専門のチーム・部門の設立が必要です。メンバーには経営トップも加わり、トップダウン形式で強くDXを推進していきましょう。

また、DXを完遂するためには、社員の団結が必要不可欠です。トップが強くDXの必要性を伝え、全社的に「DXを進めていく」という意識を浸透させましょう。社員の足並みがそろわないことには、効率的なDXの推進は難しくなります。

4. リソース配分の見直し

企業のデジタライゼーションが進めば、リソースの配分も変わってくるはずです。

まず、デジタル化によって人の手が減れば、人件費が削減できます。システムをクラウド化すればオンプレミスサーバーの保守・管理コストも削減され、投資コストを他に回せるでしょう。

従来のリソース配分を維持したままでは、デジタル化後の現状にアンマッチです。企業のビジネスモデル・プロセスにマッチした効率的な配分を、再検討しましょう。

DX推進のための取り組みの手順6ステップ

DXは企業の体制そのものをデジタル化する必要があり、推進には時間がかかります。取り組みは計画的に行われるべきであり、ステップを踏んで進めていくことが必要です。

DXに取り組む際、踏むべき手順を紹介します。

1. デジタル前提のビジョン・経営戦略の明確化

DXでは、「デジタル技術を用いてどのような価値観を生み出していくか」「どのような経営戦略を策定するか」を明確にすることが必要です。

明確なビジョンや目標がないままにDXを進めてしまうと、「システムをデジタル化して終わり」「データをデジタル化して終わり」となるケースが少なくありません。
これではDXと言えず、単なるデジタライゼーションで終わってしまいます。

DXのゴールが定まっていれば、システム化の具体的な道筋を描きやすくなります。社員も各フェーズで自身が何をすべきか判断しやすくなり、DXが効率的に進むでしょう。

2. 予算・人員の確保

DXを進めていくためには、DXのための予算・チームが必要です。
DXでは、新システムの導入や既存システムからのデータの移行、新体制の確立等で予算が必要となります。

ITスキルの高い人員の確保も必要なため、早めに人材を選定し、または外部リソースによる補充などを検討しなければなりません。

3. デジタル化のための体制作り

DXは全社的に行う取り組みのため、「一部門に兼務させる」ようなスタイルは好ましくありません。長期プロジェクトになることを予想して、先述の通り専門のチームを立ち上げて対応しましょう。 メンバーはITスキルが高いことが望ましいですが、ITリテラシ―だけではなく、部門間の折衝や交渉も必要です。コミュニケーションスキルが高くリーダーシップのある人材が必要です。

4. 現状分析・課題の把握

企業の業務やデータをデジタル化するため、現状・課題の把握が必要です。

以前に導入したシステムを長く使っている場合、システムの要件や仕様がブラックボックス化している可能性もあります。DXを進めていく上で障害になりそうなものがないか明確にしておきましょう。

また、現在の業務プロセスをチェックして、デジタル化できるもの・できないものに仕分けることも必要です。部門で業務プロセスが重複しているものや属人化しているものについても洗い出し、デジタル化できるように調整しなければなりません。

5. システム・データのデジタル化

デジタル化できる業務・データが明確化したら、システムの選定を行います。

DXではオンプレミス型よりもクラウドサーバーを使うクラウド型が主流です。拡張性・連携性も高いため、自社のニーズや既存システムと相性のよいものを選びましょう。

ただし、自社のシステムがレガシー化・ブラックボックス化している場合、データの移行には莫大な時間とコストがかかります。対処法については安易に決めず、トップ・専門家・ベンダー等と話し合い、慎重にデータの移行・取り出し方法を検討しましょう。

6. 新しいビジネスモデルの創出

業務プロセスを自動化したり、データをクラウドサーバーで共有したりしただけで「DXが終わった」と考えてはいけません。DXを完遂するには、それらを生かして新たな価値を創出していくことが必要です。

最初に設定したゴールの達成に向け、実際にデジタルデータやシステムを活用していきましょう。

また、最も理想的なのは、自社だけではなく関係企業も連携し、業界全体の最適化・デジタル化を目指すことです。

取引企業と積極的にデジタル化について話し合うことが、新たなビジネスモデル・プロセスを生み出すこと・ひいては業界全体の活性化にもつながるでしょう。

DX推進のための取り組みの成功事例

企業のDXが遅れているといわれる日本ですが、DXによって新たな価値を生み出した企業も少なくありません。

ここからは、DXに積極的に取り組んで価値を高めた企業を紹介します。

1. 株式会社ZOZO

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」は、「ZOZOスーツ」「ZOZOマット」で話題となりました。これは、自宅でスーツ・マットを試着するとデータが個人アカウントに反映され、自分の体型に合う服や靴を提案してくれるツールです。

通販サイトの「試着できない」というデメリットがデジタル技術の活用でカバーされ、消費者に全く新しい購入体験を提供しました。

2. トライグループ

「家庭教師のトライ」で知られるトライグループは、「Try IT」というオンデマンドの映像型授業を提供しています。これは、アカウントを持つ子どもが好きな時間・場所で質の高い授業を視聴できるサービスです。

これにより、子どもはインターネット環境さえあればどこからでも学習できるようになりました。ICT教育が注目される現在では、先進的な取り組みといえるでしょう。

3. ユニクロ

日本を代表するアパレル企業「ユニクロ」は、ほかのメーカーに先駆けて無人レジを導入しました。

これを実現可能にしたのは、RFID(Radio-frequency Idntifier)という無線通信技術を使った「情報タグ」です。

情報タグは遠距離・複数のタグを同時に読み込め、置くだけで清算が終了します。商品の在庫管理も容易になり、レジに配置する人員・在庫管理のための人員の大幅削減が可能となりました。

DXへの取り組みを始めて企業の競争力を維持しよう!

DXのための取り組みは全社的に行う必要があり、多くの場合組織変革・事業モデル変革を伴います。完遂には長い時間がかかるため、早急に取り組みを始めましょう。

ただし、DXではゴールの設定が非常に重要です。システム・データをデジタル化しただけで満足せず、「それによってどのような価値を生み出せるか」まで検討しておかなければなりません。このたび紹介した成功事例は、課題をチャンスに生かした例といえます。

まずは自社の課題・強みを明確化し、DXにどのようにアプローチしていくべきか考えてみてはいかがでしょうか。

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