DX時代におけるセキュリティの重要性と企業が行うべき対策

近年、働き方改革に加えてリモートワークやテレワークが進められるなど、時代に合わせた労働環境の対応が求められています。また、経営課題の1つとして、DXの推進もあります。ビジネスモデルをよりよいものにするために、周囲のデジタル化を進めて、得られたデータを分析・活用することで改善を目指していかなければいけません。

デジタル化を進めてデータを集めていくなかで気を付けなければいけないのが、セキュリティ対策です。DXの推進に合わせたセキュリティの重要性と企業が行うべき相応しい対策について、それぞれ見ていきましょう。

DX時代におけるセキュリティリスクとは

DXを大きく進めていくためには、集めたデータをよりスムーズに分析して活用するためのシステム作りが非常に大切です。これまで、企業が扱ってきたデータは、リモートワークやテレワークが進められるなかで、クラウドシステムを通して物理的に場所が縛られることなく扱えるようになりました。

オフィス内で働く人もいれば、自宅やシェアオフィスなどで業務に当たるケースがあるなど、クラウドシステムの活用によってデータを蓄積させておく場所やアクセスする人物、その方法といったものが多様化しています。

オフィス内など物理的に場所が縛られなくなれば、どこにいても業務が行えるメリットがある一方で、社外に重要なデータを持ち出す都合上、必要なセキュリティ対策が求められます。

たとえば、リモートワークやテレワークをさらに推し進めるために、必要なセキュリティ対策としてVPN機器を導入したところ、セキュリティの脆弱性を突かれてサイバー攻撃を受けてしまった例があります。

ほかにも、設定に不備があったために、利用していた顧客管理システムが社外の人間でも権限に関係なくアクセスできる状態になっていたり、キャッシュレス決済のためのシステムから情報が漏れてしまったりと、実際に見られた事例だけでもさまざまです。

セキュリティ対策は、DX時代のなかでとくに優先して考えなければいけません。DX時代そのものに問題があるのではなく、重要なデータを扱うために必要なセキュリティ対策を後回しにしたりおざなりにしたりしてはいけないと捉えるべきです。

サイバーセキュリティとITセキュリティの違い

DX時代に必要なセキュリティについて考える際に、十分に把握しておきたいのがサイバーセキュリティとITセキュリティの違いです。同じように考えて扱われるケースがありますが、厳密にはそれぞれ意味合いが異なります。

適切なセキュリティ対策を実践するために、それぞれの特徴と違いについて確認しましょう。

1.ITセキュリティ

一般的に、情報セキュリティも呼ばれるものです。DXを進めていくなかで、ITセキュリティとサイバーセキュリティはそれぞれ分けて考えなければいけません。サイバーセキュリティは、大きな括りであるITセキュリティのなかに含まれているイメージです。

さまざまなデータを扱ううえで、セキュリティの基本となるのは機密性と完全性、そして可用性の3つの要素です。これらが確実に保たれていれば、そのデータに対する正確性や信頼性が証明できます。3つの要素を英訳した際の頭文字をとってCIAとも呼ばれます。

ITセキュリティのなかで問われるのは、CIAの扱い方です。先の例で当てはめるのであれば、大切なデータが外部に漏れてしまったり、破損してしまったりしないためにITセキュリティを考えます。

2.サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティは、データの正確性や信頼性を証明するために必要なCIAに対して、安全性を脅かす原因を対処するためのものです。

システムの脆弱性を突いた不正アクセスやコンピュータウイルスなど、こういったネットワークを介して害をおよぼす脅威に対する対策と捉えましょう。そのほかにも、このようなネットワークを介するもののほかにも、物理的に情報が持ち出されてしまうなど、アナログのアクシデントや脅威への対策もサイバーセキュリティに含まれます。

DX時代には、外部だけでなく内部に対しても、脅威への警戒がとても重要です。昨今、DX時代において必要とされる考え方に、ゼロトラストセキュリティが挙げられます。「信用がゼロ」と名づけられているように、外部や内部に関係なくすべてを信頼しないことを前提としたセキュリティ対策です。

企業の外部または内部に関係なく、信頼しないことを前提に考えることで、これまでよりもより強固なセキュリティ対策が構築できます。

DX時代のセキュリティ対策3つのポイント

これまで社内だけで完結していたセキュリティ対策は、DX時代においてはクラウドサービスなど社外への持ち出しを前提として考えなおす必要があります。これまでよりも大がかりなセキュリティ対策になるため、企業全体で考えていかなければいけません。

まずは、経営層が企業の向かっていきたい方向を明確にしたうえで、そこから必要な対策講じていくことが大切です。

DX時代のセキュリティ対策を構築するうえで、重要となる3つのポイントをご紹介します。

1.アクセス管理の重要性

DXを進めていくと、クラウドサーバやさまざまなシステムを導入していくことになります。社外の人間でも自由にアクセスできる状態ではいくらでも不正アクセスができてしまうため、必要な権限とその管理について考えなければいけません。

もしもの事態に備えるのであれば、権限を付与するユーザーを最小限にしておくべきです。また、アカウントのIDやデバイス、そして操作している人物の情報をアクセスに必要な情報として認証できるようにしておくと、不正アクセスや乗っ取り対策として効果が機体できます。

2.使いやすさとセキュリティのバランス

より強固なセキュリティ対策を講じるためには、アクセスに必要な認証が増えて複雑になっていきます。とくに、社内や社外に関係なく信用しないゼロトラストセキュリティの考え方では、認証に必要な作業がより複雑化していくでしょう。

アクセスのために必要な「鍵」を増やしていけば、セキュリティが強固になる一方で、鍵を「開ける」作業が大変手間に感じられてしまうかもしれません。

セキュリティ対策は、合わせてアクセスやシステムの使いやすさも考える必要があります。

経営層が企業の目指す方向性を明確にしたうえで、必要なセキュリティ対策を使いやすさとのバランスを加味しながら考えることが大切です。

3.セキュリティ対策のための人材確保

セキュリティ対策は、システムに任せきりにするのではなく、専門とする人材を用意するべきです。

セキュリティ経営やセキュリティ統括、セキュリティ監査、脆弱性診断およびペネトレーションのテスト、セキュリティの監視・運用、調査分析・研究開発など、優れたセキュリティ対策には専門的な分野が必須です。

時代の変化に合わせて相応しいセキュリティ対策を講じることが大切

企業が成長していくためには、社内ばかりでなく、社外に目を向けて時代の流れに対応していくことが重要です。デジタル化が大きく進むDX時代では、幅広くデータを集めて分析し、活用することが求められます。

重要なデータを多く扱う以上、その分必要なセキュリティ対策についても考えなければいけません。

DX時代のセキュリティ対策には、経営層が根本から考えていくことが大切です。

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